道端には商店が並んでいた。でも、まだ僕の目指している市場ではなかった。ここは市場というよりも商店街のよう。店先に出したワゴンの上にアボカドを山積みにして売っている八百屋もあれば、金物屋もあった。昔ながらの商店街のような雰囲気だ。写真の老人はチルボンにあるそんな商店街の中で営業していた荒物屋の店頭に腰を下ろしていた。
老人の周囲には様々なものは雑多に並べられていた。チリトリも見えるし、何に使うのかよく分からない紐もたくさん見える。売り物に囲まれて老人は静かに座っていた。カメラに気がつくと、紐を握っていた手を止めて穏やかにカメラを見つめてくれる。若い頃には相当ふっくらとした顔つきだったのだろう。老人の頬にはかつてはたこ焼きのようにぷっくらしていたであろう肉がちょっとたるんでいた。
老人はモンスターエナジーのロゴの入った帽子をかぶっていた。ここインドネシアでもモンスターエナジーは売られているようだ。老人とエナジードリンク。エナジードリンクには筋肉ムキムキの若者のイメージはどうしてもつきまとってしまうから、ちょっと違和感の感じる組み合わせだ。もっともこの老人が愛飲しているわけではなく、たまたま手もとにあったのがモンスターエナジーの帽子なのかもしれないけれど。
2021年1月 インドネシア 人びと | |
帽子 チルボン 老人 店頭 |
No
11786
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年01月14日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF