大きな通り沿いにはところどころに屋台が出ている。さきほど目にしたのは果物を売る屋台だったけれど、こんど目の前に現れたのは豆腐料理を出す屋台だった。道端に出した屋台の側面には大きく「TAHU TEGAL」と書かれていた。TAHUとはインドネシア語で豆腐のこと。ここチルボンが中国と貿易していた歴史を感じさせる屋台だ。タフと発音するから、どことなく日本語の豆腐に発音も近い。中国から伝わってきてから長い時間が経っているせいか、地元生まれの食材のような顔しているのも日本の豆腐と同じだった。
大通りとはいえ、人通りもあまりなく、この屋台に豆腐を買いに来ている客の姿はなかった。ときおり自動車やベチャが屋台の前を通り過ぎていくだけだ。屋台の後ろには店番している男の子がちょこんと椅子に腰掛けて手にしたスマホに見入っていた。客がいないのだから、やることはない。時間を持てあわしている人間がスマホを手に入れたら、それに夢中になるのは洋の東西を問わず、老若男女同じなのだ。
2021年2月 インドネシア 人びと | |
男の子 携帯電話 チルボン 食べ物の屋台 |
No
11826
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月23日
更新日
2023年08月28日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF