ふらふらと交差点にやって来ると、立て続けに水色のミニバンがやって来て停車した。アンコットだった。アンコットとはインドネシアのジャワ島で走り回っているミニバスで、ジャワ島では地元民の足としてメジャーな交通機関だ。
メジャーな交通機関。そう聞くと、僕も乗ってみたい。しかしながら、実際に乗るのはハードルが高い。アンコットは基本的に決まったルートをグルグルと走っているのだけれど、一介の旅行者が町のどこを走っているのか理解するのは簡単ではない。また、客が一人だけだと急遽タクシーになって、高い料金を請求されることもあるのだという。決まったルートを走るところといい、急にタクシーに変貌するところといい、イランを走っているセルヴィスという乗り合いタクシーによく似ている。かつてイランで突如としてタクシーに変貌したセルヴィスの運転手と何度もお金で揉めた記憶が蘇る。いずれにしても、勝手の全く分かっていないインドネシアで乗るのは止めよう。僕の中の小心者がそう囁いた。
どこにも標識らしきものはないけれど、この交差点はアンコット乗り場になっているようで、やって来たアンコットは道端に車両を停めて客が来るのを待っていた。もちろん乗り込む客がいれば、やって来た車両から降りる客もいる。僕の目の前に停まったアンコットからもチャドルをかぶった女性が降りてくると同時に、帽子をかぶった男が助手席に乗り込もうとしていた。
2021年2月 インドネシア 人びと | |
バス 帽子 チャドル チルボン 交差点 乗客 |
No
11823
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月20日
更新日
2023年08月28日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF