ふたりの男の子が住宅街の道を横断していた。この道はまっすぐに家々の中を伸びていて、そこそこ交通量が多い。ふたりの男の子は、左右を確認して小走りで渡っていた。仲良く渡るふたりの身長にはかなり差がある。兄弟なのだろう。
インドネシア語では、兄弟姉妹を「kakak」(カカッ)と「adik」(アディッ)と言う。でも面白いことに、kakakとadikという単語だけでは性別は分からない。どういうことかというと、kakakは兄弟姉妹のうち年上の人を指し、adikは兄弟姉妹のうち年下の人を指しているからだけだからだ。つまり、kakakと言われても、兄なのか姉なのかは分からない。
そのため、正確に性別までも含めて表現する場合には、kakak、adikの後ろにlaki-laki(ラキラキ)という男性を表す単語やperempuan(ブルンプアン)という女性を表す単語を付ける。kakak laki-lakiといった感じだ。でも、普通は付けず単にkakak、adikとだけ言うのが多いらしい。日本人の感覚からすると、少しモヤモヤしてしまう。
親族呼称は文化によって異なっている。英語では兄弟は一単語で表現できるけれど、インドネシア語とは逆に年上なのか年下なのかはわからない。中国語では父方のおじと母方のおじで字が字が違う。インドネシア語のように、性別を明らかにしない表現は今時のジェンダーの多様化に適した言い方なのかもしれない。
2020年10月 町角 インドネシア | |
男の子 兄弟 ジャカルタ 通り |
No
11692
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年10月08日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF