チルボンを歩いていて、次に行き合ったのもベチャの運転手だった。年季の入った運転手で鼻の下には真っ白な口ひげを蓄えていた。どこからどう見ても僕よりも年上だ。それにしても、この町にはどれだけのベチャが走っているのだろう。バイクタクシーをほとんど見かけない代わりに多くの自転車タクシーを目にするのだ。
年配の運転手は大きな通りの端にベチャを駐めて、客席に腰を下ろして客が来るのを待っていた。もちろんスマホなんていう代物は持っていない。スマホに時間を泥棒されることなく、ゆったりと足を組んで客が来るのを待っていたのだ。
年配の男性に向かってカメラを向ける。男性は笑顔で応じてくれた。聞くまでもなく僕が客ではないと分かっているようで、僕が近づいてカメラを向けても笑顔を返してくれるばかりで「乗らないか」とか「どこまで連れて行ってやろう」なんていうことは一切話しかけてこなかった。ジャワ島のタクシーは自転車であっても自動車であっても、執拗な客引きは行わないものと決まっているかのようだった。
2021年1月 インドネシア 人びと | |
ベチャ 帽子 チルボン 口髭 老人 リクシャワラー サンダル |
No
11783
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年01月11日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF