ムンバイ(インド)
商店街の八百屋では日本でもよく見かける野菜が揃っている反面、やはり葉菜類と呼ばれるキャベツやセロリ、ほうれん草の姿は見当たらなかった
暑い国にいる犬は、たぶん、暑さに耐えているのではなく、ただ耐えるしかないのだろう
個人経営の店ばかり光景は、経済成長が進み、大資本のチェーン店が勢力を拡大していくにつれて、次第に姿を消していくのかもしれない
幼い女の子にとっては、お母さんとおばあさんの存在こそが絶対的な安心感になっていた
インドでは寺院や神々がマリーゴールドの鮮やかなオレンジ色で彩られているのは普通のことだ
マンゴーと聞いてインドを思い浮かべる人は少ないかもしれないが、実はインドは世界最大のマンゴー生産国だ
モノタロウのような企業が画面を数回タップするだけで簡単に工具を購入できるようにした日本とは異なり、インドではオンラインの工具販売店はそれほど普及していないのかもしれない
花柄のシャツをまとった男が真っ赤な食べ物を路上で売っていた
ムンバイでは人口の20%弱をイスラム教徒が占めていて、イスラム教徒特有の格好をしている人を見かけることも珍しくない
男の子がウサギをペットとして飼っているのか、それとも何か別の目的があるのかは分からなかった
日本にある多くのシャッター商店街も、かつてはこのように多くの人が闊歩して活気に溢れていたに違いない
迷宮のようなこの路地に、アイロンがけをするお店はあったけれど、洗濯するお店は見つけることはできなかった
路地を進んでも、地元の人びとは僕にほとんど興味を示さないどころか、僕の存在にすら気づいていないように見えた
1階部分にはそれぞれの住居の入口が設けられていて、よく見ると建物ごとに梯子がかかっていた
祭壇の前という神聖な場所を、犬が何の気兼ねもなく占拠している様子が、インドらしい寛容さを物語っているようだった
インドではクリケットは圧倒的な人気を誇るスポーツで、プロリーグも存在し、そのスーパースターたちは何十億円もの年収を稼ぐという
男の子は遠くを眺めるのではなく、頭上の何かに心を奪われているようだった
路地を進んでいると、突然男の子が「ナルト」と声をかけてきた
入り組んだ路地は細く、建物同士が密集しているため、一歩足を踏み入れるとすぐに地元の人びとと顔を合わせることになる
魚を水揚げする様子はなく、荷物を積み込むわけでもなく、男たちが甲板の上で忙しそうに動き回っていた
この場所が今でも漁村であることを主張するかのように漁網がボートの上に置かれていた
ボロボロのボートや漁船が並ぶ波打ち際を離れると、そこにはもう漁村らしさはほとんど感じられなかった
ゴミが散乱し、地元住民がここをトイレ代わりに使っているのも14年前と同じだった
この漁村では小さな手漕ぎボートで沖に停泊している大きな漁船まで渡り、そこで漁をするようだった
ボロボロの漁船が転がる浜辺は漁港というよりも、使命を終えた船たちの墓場のように感じられた
スマホが普及したこの時代でも、大きなカメラにはまだ特別な魅力があるのようだった
電灯もない薄暗い路地を抜けると視界が開け、目の前に14年前と変わらない光景が広がっていた
都市化や再開発の波が押し寄せてもおかしくないはずのこの場所は、今もなお14年前と変わらぬ姿を保っていた
タージマハル・ホテル(ムンバイ)
たとえアフタヌーンティーであってもタージマハルホテルにはドレスコードが存在し、それを満たさないと入れない
かつての植民地支配を象徴するような建造物であるインド門はインド人にとって忌避の対象になってもおかしくないけれど、実際にはそうではない
区切られた歩道の一角に餌がびっしりと撒かれていて、鳩たちが夢中でそれを啄んでいた
ここには魚の選別や販売が「女性らしい」と見なされてきた歴史的な背景があるのかもしれない
警戒するわけでもなく、作業を邪魔されることへの苛立ちもなく、男は外から来た異邦人に興味を持ってくれたような目をしてくれた
ぼんやりと往来を眺めていた男は、その静かな空気の中に溶け込むようにして椅子に腰掛けていた
インドが世界第2位のニンニク生産国であることを考えると、インド人のニンニク消費量がそれほど多くないのは意外だ
日本でよく見るような青菜があまり見当たらず、代わりに目立つのは瓜類やナス、唐辛子のような南国らしい野菜たちだった
升目を使ったような均等に見える配置が平等のような不平等を感じてしまった
それが青唐辛子と分かった瞬間、無意識のうちに辛さを想像してしまうのは、まさに条件反射というやつなのだろう
日本人にとってココナッツは、お菓子や加工食品で馴染みがあるものの、生の実そのものについては未知の部分が多いような気がする
市場に訪れる外国人自体が少ないのか、それとも外国人が特に興味深そうに野菜を観察する様子が珍しかったのか、どちらなのかはわからない
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