湯島天神の授与所の脇に急な階段がある。天神石坂とも呼ばれる天神男坂だ。表鳥居から入ると気付かないけれど、湯島天神の境内は台地の突端に築かれている。そのため境内の脇に急な階段があるのだ。階段を降りて少し行くと不忍池があり、その辺りは縄文時代には東京湾の入り江だったところだ。社伝によると湯島天神が創建されたのは458年というから、当時は境内から東京湾を臨めたのだろう。
ちなみに男坂があって女坂はないのかと思う人もあるかも知れない。ご安心ください。ここにはキチンと女坂もある。男坂の横に分岐するような形で女坂が設けられているのだ。一般的に急峻なほうを「男坂」、緩やかなほうを「女坂」と名付けられるのにならって、ここでも男坂が38段あるのに対して女坂は33段と少しだけ緩やかだ。
男坂の上に立って、かつて海だったであろう場所を眺めていた。今ではどこにも潮の名残りは見当たらずビルしか見えない。そして眼下には難儀そうに急な男坂を下っている夫婦の姿が見えた。
2021年5月 町角 東京 | |
バック・ショット カップル 階段 湯島 |
No
11915
撮影年月
2020年9月
投稿日
2021年05月23日
更新日
2024年07月10日
撮影場所
湯島 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF