ベチャの停まっていた道から細い路地に入ると、そこは市場だった。いったん外に出たカノマン市場に再び戻ってきてしまったのだ。同じ市場の中でも、さきほど訪れた八百屋などが並んでいるところが賑わっていたのに対し、こちらの場所は閑散としていた。薄暗い中に肉屋や魚屋がひっそりと並んでいた。
鶏肉を扱う肉屋の前にやってくると、お店の中に誰もいない代わりにカウンターの上に無造作に鶏が陳列されていた。何羽も置かれている鶏はまださばかれておらず、一羽まるごとばかりで、絞めた後毛をむしっただけのようだ。さばかれていないので、鶏肉と言うよりもまだ鶏といった感じだった。
よく見てみると、鶏の上を小さな黒いものが飛び回っていた。クルクルと旋回していたいかと思えば、鶏の上の止まっていたりする。ハエだった。冷蔵設備もないむき出しのカウンターの上に置かれていたから、ハエが鶏に集まってきているのだった。東南アジアや南アジアで市場に行くと、このようにハエが集っている食肉が店頭に並べられているのを目にすることは珍しいことではない。酷いところになると、あまりにも多くのハエが集ってくるので、肉の横に立った人間が常にハエを追い払っていたりする。ここチルボンではそれほどハエが集まってこないのか、そのようにハエを追い払う人はおらず、鶏肉が放置されているだけだった。
旅先ではこのような状況で肉が売られているのをはしばしば目にするから、食欲がなくなったるすることはない。もう慣れた。でも、今晩は鶏肉を食べるのを止めようと思っただけだ。
2021年2月 食べ物 インドネシア | |
鶏・鶏肉 チルボン 蝿 市場 |
No
11818
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月15日
更新日
2023年08月28日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
食物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF