路地をウロウロとしていると、さきほどすれ違ったチルボン名物の甘いスパイシーソースで揚げた豆腐、TAHU GEJROTの屋台と再び行き合った。やはりさっきは売り歩いている最中ではなく、商売する場所へ移動していたところだったようだ。再び会った赤いTシャツの男は路地の一角に移動式屋台を駐めて商売を始めていた。ここがお店を開く場所だったのだ。
商売を始めているのは結構なのだけれど、周囲には誰もおらず路地は静まり返っていた。もちろん、客の姿もない。このような場所で商売が成り立つのか、他人事ながら心配になってしまう。だからといって男は客寄せの口上を上げるわけでもない。無口な男のようで、屋台が営業していることを声を上げて周囲に知らせたりはしないのだ。ただただ仕事の手を動かすだけだった。僕が写真を撮っても良いかと尋ねても、軽く頷くだけで声を発することはなかった。
男は道端に干された洗濯物を前にして、大きな日傘の下で黙々と下ごしらえを続けていた。
2021年2月 インドネシア 人びと | |
路地 チルボン 食べ物の屋台 洗濯物 Tシャツ 傘 |
No
11828
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月25日
更新日
2023年08月28日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF