市場の近くにある店の店頭に男が腰を下ろしていた。この男も他の大勢の男と同じように帽子をかぶっていた。しかし男がかぶっていたのは野球帽でもなく、タキーヤでもなく、さっき見かけたベチャの運転手のかぶっていたカウボーイハットのようなものでもなかった。男がかぶっていたのはソンコと呼ばれる帽子だった。
ソンコはブルネイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン南部、タイ南部で広く着用されている帽子で、主にイスラム教徒の男性がかぶるものだ。日本では馴染みがないけれど、デヴィ夫人のご主人だった故スカルノ大統領がかぶっていた帽子といえば、思い当たる節のある人も多いだろう。
マレーシアを旅した時にはしばしばソンコをかぶった人に行き合った。子どももかぶっていたし、大人もかぶっていた。けれど、インドネシアではソンコをかぶった人になかなか出会わない。ジャカルタでもソンコをかぶった男はひとり目にしだけのような気がする。ジャカルタとチルボンではあまりかぶっている人はいないのだ。日本におけるループ・タイ(ポーラー・タイ)のように老人が身につけるものというイメージがあるのかもしれない。
2021年2月 インドネシア 人びと | |
帽子 チルボン 男性 |
No
11814
撮影年月
2020年1月
投稿日
2021年02月11日
更新日
2023年08月28日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF