上野公園にある石灯籠の並ぶ長い道を抜けると、目の前に金ピカの扉が現れる。上野東照宮の唐門だ。パンダもいて家族連れに人気のある上野動物園のすぐ近くに金ピカの門。まるで雰囲気が異なっていて、子どもに見せる顔と別に大人に見せ付ける歴史の勝者として顔がこの公園には用意されているのだ。
黄金に輝く唐門を間近から眺めるだけでも圧倒される。しかし拝観料さえ払えば透塀の中に入れて、1651年に建てられた本殿も間近から眺められる。本殿だって唐門と同じように金ピカだ。用いられた金箔の量は唐門よりも多いだろう。そう考えると、本殿は唐門よりもっと金ピカということだ。これは払って眺めた方がお得だと思った僕は拝観料を払って透塀の中を目指した。
チケット売場を越えて本殿の建つ透塀の内側に入る手前、僕が目を惹かれたのは幹に注連縄が巻かれている大木だった。「上野の祖木」とも呼ばれる大きな楠だ。幹の太さは上野公園一を誇るとはいえ、金ピカの東照宮の本殿と唐門と比べたらとても地味。どこにも金ピカ成分は見当たらない。でもギンギンギラギラしているものよりも、地味な楠の方が自分に相応しいような気がした。
2021年9月 自然 東京 | |
注連縄 神社 木 上野 |
No
12032
撮影年月
2021年2月
投稿日
2021年09月17日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
自然写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF