かつては宮家や公家の屋敷が立ち並んでいた公家町は、今となってはのどかな京都御苑になっている。1869年に華族が原則東京に住居することが定められたことに伴い、今の京都御苑に邸宅を構えていた宮家・公家も東京へ移住してしまったのだ。しかし、屋敷の主たちは京都にいずれ戻ってくるつもりだったのだろうか、屋敷の敷地に建立されていた邸内社はそのままにされているのもある。京都御苑の中には今でもかつて宮家・公家の邸内社であった神社が残っているのだ。九条家の敷地に立っていた厳島神社もそうだし、写真の宗像神社もそうだ。
京都にある宗像神社は、藤原冬嗣が桓武天皇の勅命で皇居鎮護の神として筑前宗像神を勧請し、自邸の西南隅に祀ったのが始まりとされている。その後、この地が花山院家の邸宅に変わり、明治時代になるまで宗像神社は花山院の邸内社だった。東京奠都によって邸宅そのものの役目は終わり取り壊されたものの、宗像神社は今でも京都御苑内に鎮座しているのだった。
邸内社だったとはいえ、そんじょそこらの神社よりも宗像神社の造りは立派だ。だてに795年の創建ではない。応仁の乱や蛤御門の変(蛤御門はここから500メートルほど北にある)も乗り越えて1000年以上もの間ここに鎮座しているのだ。
2021年4月 建築 京都 | |
京都市 注連縄 神社 石灯籠 鳥居 |
No
11882
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月20日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
京都御苑 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF