もともとは失意のうちに亡くなり、怨霊と化した菅原道真の魂を鎮めるための神社だったと思うのだけれど、今ではそのようなおどろおどろしいイメージは天満宮にはない。学問の神様が祀られているところと思っている人がほとんどで、受験シーズン前に天満宮に合格祈願に訪れたことのある人は多いに違いない。合格祈願のご利益のある神様は人気で、ここ仙台にも天満宮がある。確かに御祭神である菅原道真は優れた学者であったという。ではいつのころから怨霊というより「学問の神様」として信仰されるようになったのだろうか。
今でこそ、難関大学に入学するのが立身出世の近道であるのは理解できるものの、日本でそのような道筋が出来たのはせいぜい明治維新後のことだろう。中国の統治制度を参考にしたのにもかかわらず、科挙制度を採用しなかった日本は、それまで学問で立身出世するのは難しかったのではないだろうか。なにせ科挙制度のあった中国本土や李氏朝鮮と異なり、実際の日本社会を運営していたのは試験制度を突破した知識人ではなく、いざとなったら刀をもって戦地に赴く侍だ。そのような世の中では、試験を突破するよりも良い家柄に生まれることが出世する条件だったなかろうか。
2024年6月 町角 宮城 | |
門 仙台 注連縄 神社 扁額 |
No
12605
撮影年月
2023年11月
投稿日
2024年06月29日
撮影場所
仙台 / 宮城
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF