唐門の前に途切れることなくやってくる人のほとんどが門の前で一度立ち止まると写真を撮る。日常生活の中で巨大な金箔なんて目にすることなんてあまりないから、扉一面に金箔が貼り付けられている上野東照宮にある唐門の姿に圧倒され、写真を撮らずにはいられなくなるようだ。
良くも悪くも金ピカの唐門に惹きつけられる人びとは多い一方で、唐門の向こうにある社殿に惹きつけられる人が少ないのが意外だ。確かに社殿は唐門と違って拝観料を払わないと拝観できない。拝観料を払ってまで透塀の内側に入り、東照宮の社殿を拝もうと思う人は少ないのだ。同じように金ピカなのに。
拝観料を払って大楠を越えて透塀の内側に足を踏み入れると、賑わっている唐門の前と打って変わってとても静かな空間が広がっていた。僕は無言で社殿の姿を眺めた。唐門に多くの金箔が貼られているだけあって、1651年に建立された社殿にももちろん多くの金箔が用いられている。
人間は拝観料を払わないと拝観できないため、唐門を眺めるだけで満足してしまった人は拝観料を払ってまで透塀の中に入ってこない。その反面、鳩は自由だ。空を飛べる鳩にはただで入られる空間とお金を支払わねばならない空間の境に立つ透塀は無力で、好きなだけ社殿の周りでダラダラできる。僕が訪れた時も社殿の上に鳩が止まっていた。
2021年9月 動物 東京 | |
黄金 鳩 屋根 神社 上野 |
No
12033
撮影年月
2021年2月
投稿日
2021年09月18日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF