長い長い坂道を登ってきたわりに、山上大神宮の境内はとても質素だった。狭い境内にシンプルな木造の社殿が建っている。参拝客の姿もあまりない。でも慎ましい社殿の中は、閑散とした境内の雰囲気とは裏腹にぎゅうぎゅう詰めになっている模様。ここに祀られている神様は多い。アマテラスオオミカミを筆頭にコノハナノサクヤビメも祀られているし、国津神のオオクニヌシノカミも祀られていて、さらには菅原道真もいる。総勢9柱も祀られていて、それほど広いようには見えない社殿の中は混雑しているに違いない。中でも菅原道真には同情する。他の神様が伝説的な存在なのに対し、彼だけが実在した人物だ。伝説的な神様に囲まれて肩身が狭いのではないかと想像してしまう。
9柱も神様がいるのだから、ご利益もいろいろあるだろうけれど、函館山の中腹に建つこの山上大神宮の目玉は境内からの眺望だと思う。一心不乱に登ってくるときには気が付かないかもしれないものの、境内で一息ついて登ってきた道を振り返ると見晴らしがよくて目を見張る。鳥居に掲げられた注連縄の向こうに、参道の坂道がまっすぐに下っていって、その先に函館湾が口を開けて待ち構えていた。まるで函館湾に向かって伸びる滑り台のようだった。
2022年9月 北海道 町角 | |
雲 函館 注連縄 神社 坂道 鳥居 |
No
12375
撮影年月
2022年6月
投稿日
2022年09月21日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
函館 / 北海道
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35