ごちゃごちゃしたグロドック地区の路地を抜けると、大きなビルの裏手に出た。もうこれ以上進んでも面白いものはなさそうだ。Uターンして、大通りへ戻ろうとすると、小さな部屋というか小屋が目に入った。中に男が立っていた。ソンコをかぶった男が小さな空間の中で煙草を吹かしていた。小屋の中には裸電球がぶら下がっていて、鍋がいくつか置いてあった。ここはどこかのお店の倉庫なのかもしれない。
男がかぶっている帽子はソンコと呼ばれるものだ。ここインドネシアを含め、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン南部やタイ南部のイスラム教徒の男性のかぶる民族衣装だ。でも、ジャカルタは発展しているからか、町を散策してもかぶっている人を見かけることがあまりないのが旅行者としては残念だ。
イスラム教徒がかぶる帽子としては、似たようなものにトルコ帽がある。僕からしたら、同じものに見えるけれど名前は違うのがややこしい。他にも中央アジアでかぶられているテュベテイカという帽子も似ているし、イスラム教徒ではないけれどネパールでかぶられているトピという帽子も似ている。人間が思いつくものは、場所が離れていても似通っているのかもしれない。
2020年5月 インドネシア 人びと | |
帽子 煙草 小屋 ジャカルタ 男性 |
No
11544
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月28日
更新日
2023年09月04日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF