妙福寺に置かれた大きなお賽銭箱の前で参拝客がたむろしていた

お寺でも神社でも神様が鎮座しているところにはお賽銭箱が置かれている。日本人であれば神社仏閣にお参りした際に金銭を奉納するのに何も違和感を持たないだろう。これは日本だけの風習ではない。中国や台湾、香港にも香油銭と呼ばれる同じような風習があり、韓国にも似たような風習があるという。でも東アジア以外では神様に祈願成就として金銭を奉納するのは一般的ではないのかもしれない。

メキシコの少数民族が住むエリアにあるキリスト教の教会で、聖人と思われる彫像の前でコカ・コーラのペットボトルを奉納している人びと（メキシコの聖人はアルコールよりもコーラのほうが好みのようだ）を何人も見たことがあるけれど、通常の場合、キリスト像の前にお賽銭を供えているような場面は目にしたことがない。日本で言うところのお賽銭という感覚はキリスト教徒にはないと思われる。

イタリアのトレビの泉で訪れた人びとがお金を泉の中に放り投げるけれど、あれはお賽銭には含まれないだろう。そういえば昔訪れたときにもう一度ローマに来られるようにと、僕もコインを投げ入れたものの、その願いはまだ叶えられていない。

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