小雨の降りしきる中、大徳寺の境内を歩いていた。大徳寺は大きい。境内を歩いていても自転車や自動車とすれ違うことはなく、伽藍を歩いているというよりも、古い建物が立ち並ぶ風情ある町の中を歩いているようだった。
進んでいくと、生垣の向こうに大きな門が現れた。金毛閣と呼ばれる大徳寺の山門だ。二層になっている山門は1529年にまず下層のみが竣工し、1589年に千利休が上層を完成させて「金毛閣」と名付けたのだそうだ。その恩に報いるために大徳寺は、上層に雪駄を履いた利休の木像を安置したという。そのため門を通ると利休の足下をくぐる形になり、これが豊臣秀吉の怒りを買って利休切腹の一因となったとも言われる曰く付きの門だ。
小雨の中に静かに佇む赤い門からは、そのような過去の因縁は感じられない。じっと門を眺めていると、赤い傘を差した参拝客が前を通り過ぎて行った。緑の木々の横を通り過ぎる赤い傘は、まるで大徳寺を訪れるためにコーディネートしたかのようだった。
2021年4月 町角 京都 | |
門 京都市 寺院 傘 参拝客 |
No
11887
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月25日
更新日
2024年07月15日
撮影場所
大徳寺 / 京都
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF