蚊取り線香をあまり見かけなくなった今、僕にとって線香といえば仏教寺院でお供えとして燻らせるもの。仏教寺院には線香を上げる香炉が付きものだ。銚子に建つ飯沼観音でも、ご多分にもれず本堂の前に大きな香炉が置かれていた。
仏教寺院で線香を上げるのは、線香の煙に穢れを祓い、心身を清浄にする作用があるからとされる。これは海外でも同じようで、東南アジアの仏教寺院を訪れると線香の形こそ違えど同じように線香を上げている参拝者の姿を見かける。面白いのは、そのように考えるのは仏教だけに限られていないこと。道教寺院でも線香が上げられているし、ヒンズー教のプジャという儀式でも線香を上げる。煙の効能はアジアの宗教で広く共有されているのだ。
そのような中、1575年創業の日本香堂という線香メーカーが海外でも広く事業を展開しているという記事に読んだ。なんでもアメリカやフランスやブラジルなどアジア以外の国も含む約30カ国で販売しているらしい。フランスやアメリカでは仏教や道教、ヒンズー教は一般的ではないだろう。つまり宗教とは関係なく純粋にホームフレグランスとして買う人が多いようだ。線香の匂いを嗅ぐと、どうしてもお寺や仏壇を思い起こしてしまう僕にはとても意外だった。
2022年7月 千葉 人びと | |
銚子 香炉 寺院 |
No
12333
撮影年月
2022年5月
投稿日
2022年07月27日
更新日
2023年08月11日
撮影場所
銚子 / 千葉
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35