テレビドラマシリーズにもなった大岡越前が信仰していたというお稲荷様は、21世紀になっても人気を集めていた。正月気分も抜けきらぬまま、新年早々やって来た豊川稲荷東京別院には大勢の参拝客がやって来ていて本殿前には行列ができていたのだ。
このお稲荷様はもともと大岡家の屋敷内に祀られていたもの。江戸南町奉行として活躍し、旗本から大名へ出世した大岡越前守が信仰していたお稲荷様だけに霊験あらたかに違いないし、現代でもそれにあやかって自分も立身出世したいと思う人がいても何ら不思議ではない。僕だってこのお稲荷様のいわれを聞けば、霊験をお裾分けしてもらいたいと思う。
豊川稲荷東京別院が面白いのは、そのいわれだけではない。曹洞宗の寺院なのにお稲荷様を祀っているのも興味深いし、本殿のすぐ近くに奥の院が建っているのも普通とは異なっているように思える。通常の場合、奥の院は本堂から離れた後方の山上などに設けられ、最も神聖な区域とされる。しかしながら、ここの奥の院は本殿の横にしれっと鎮座している。本殿と奥の院が横並びに建っているのだ。
神聖な奥の院の周囲には願掛けののぼりが幾つも奉納されていて、日常を越えた情調が漂っている。入り口に鎮座している緑色の狐も見慣れたものではなく、ちょっとした異次元の入り口のようだった。
2022年2月 人びと 東京 | |
帽子 狐 元赤坂 寺院 参拝客 |
No
12187
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年02月25日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
元赤坂 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35