男が三解脱門のところから増上寺の本堂に向かってお辞儀していた

皆無ではないものの、呆れてしまうくらい大勢の観光客がいる浅草寺と比べると、芝にある増上寺にやってくる観光客は少ない。東京タワーのお膝元にあるようなロケーションで、伽藍も立派で、由緒があって境内の一角には徳川将軍の霊廟もあるのに観光客（特に外国から旅行者）には魅力的には映らないようだ。でもそれがいい。混雑していない増上寺の境内では人いきれでむせることもなく、思う存分徘徊できる。

自分も物見遊山で神社仏閣を訪れるひとりだからなんとも言えないけれど、浅草寺のように明らかな観光客が多かったり、コスプレしている人が多かったりして混雑していると、本来の機能である宗教施設として機能しなくなってしまうのではないかと心配になってしまう。それともお寺に祀られている仏様たちは、僕と違って度量が広いのでそのような状況を些細なことと受け止め気に留めていないのだろうか。まあ仏様が気にしていなくとも、人間である僧侶たちには思うところがあるに違いない。都内よりもずっとオーバーツーリズムになっている京都ではどうなっているのだろう。

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