似たような発音の名前だけれど、中で祀っているものはぜんぜん違う。太子堂というと、祀られているのは聖徳太子だ。仏教を篤く敬い保護した聖徳太子は日本仏教興隆の祖として宗派を問わず信仰されていて、日本各地に太子堂という仏堂が建っている。それに対して大師堂というと祀っているのは大師号を贈られた僧侶で、真言宗の場合は弘法大師ということになる。
大塚にある護国寺は真言宗の寺院だから、どしんと構える護国寺の本堂の脇にさり気なく建っている大師堂で祀られているのは、真言宗の開祖である弘法大師のはず。はずと書いたのは確信を持てないからだ。公式ホームページを見ても、「旧薬師堂を、大正15年以降に大修理し現在の位置に移築して大師堂にしたもの」としか書いてなく、中に祀っているのが弘法大師なのかどうかは書いていないし、大師堂の前にも大師堂と書かれた札が建てられているだけだ。
仏教リテラシーの高い人なら、大師堂なのだから中に祀られているのは弘法大師以外にありえないと確信できるのかもしれない。しかし僕のように仏教リテラシーの高くない人間は確信できないから、何か説明書が欲しくなってしまう。信仰心に駆られてお参りに来たのならいざしらず、物見遊山でやって来ただけの僕のような人間には説明書きが充実している方が興味も、ありがたみも増すような気がしてしまうのはお参りというより美術鑑賞のような気分で見ている現れだろうか。
2022年5月 町角 東京 | |
バック・ショット 穴 大塚 石灯籠 寺院 参拝客 |
No
12282
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年05月31日
更新日
2023年08月13日
撮影場所
大塚 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35