駅舎から外に出ると、チルボン駅の前に何台ものベチャが停まっているのが見えた。ここチルボンでも、庶民の足はベチャという自転車タクシーなのだろう。しかも、ジャカルタでは大通りをベチャが走るのは規制されているのに対し、チルボンではそのような規制がないようだ。駅前からまっすぐに伸びる道にベチャが駐められていた。列車から降りてきた客を待ち構えているのだ。
でも、通りに駐められているのはベチャの車両ばかりで、運転手の姿は見当たらない。愛車を目に止まりやすい道端に駐めて、運転手自身はどこかのお店の中でくつろいでいるに違いない。自転車タクシーに乗りたそうな人が現れたら、どこからどもなく現れる算段なのだろう。ここはチルボン駅の目の前で、お店が軒を連ねている。ちょっと休憩するような場所は多いのだ。
そう思っていたのだけれど、駐められているベチャに近づいても誰も僕のところにやっては来なかった。近づいて、しゃがんで、ファインダーにベチャを収めてシャッターを切っても誰も僕のところにやっては来ない。ファインダーの中を女性客を乗せたベチャが走り抜けても、僕のところには運転手はやって来ないのだった。それほど僕はベチャに乗りそうにもないと思われたのだろうか。
2020年12月 インドネシア 乗り物 | |
ベチャ チルボン サイクルリクシャー |
No
11773
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月28日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF