颯爽と走り抜けて行く姿を眺めていると、物珍しいこともあってなんだか素敵に見えるのだが、いざ間近でまじまじと見るとちょっと間抜けな感じがする。ジャカルタを走るベチャと呼ばれる自転車タクシーは、僕にはそんな存在だ。
この時も歩いていた道路の脇に2台のベチャが停まっていた。座席に腰掛けた客もいなければ、サドルにまたがってペダルを漕ぐ人も見当たらない。こうやって眺めると、どちらのベチャもシートのカバーが破れていて、使い古されたボロボロのソファが道端に放置されているかのよう。これが人を乗せるや否や住宅街の中を軽快に走り出すのだから、面白い。
ベチャの座席は一番前に取り付けられているから、この座席に乗り込んで走り出したら視界を遮るものは何もない。風も思う存分感じられて気分爽快に違いない。その代わり、あまりに速く走ったら怖くなってしまうだろう。でも、そこは安心。ベチャの動力は人間が漕ぐペダルだけだ。どんなに急ぎたくても、それほどスピードが出る代物ではない。軽快に走るものの、そのスピードはのんびりなのだ。
2020年11月 インドネシア 乗り物 | |
ベチャ サイクルリクシャー ジャカルタ 座席 |
No
11729
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月14日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF