日本の建築様式というと書院造りが思い浮かぶけれど、その実内容はよく分からない。もともと書院とは書斎を兼ねた居間の中国風の呼称だったものが、単なる書斎から接客のための広間、さらに儀式の場へと発展したものなのだという。確かに二条城で大政奉還が行われた大広間も書院造りだ。
書院造りの特徴には床の間・床柱・違い棚・付書院などが挙げられる。京都にある高桐院を拝観していると、薄暗い部屋の奥に床の間が見えた。ここも書院なのだろう。この書院は儀式の場へと発展する前の単なる書斎だったころの書院を今に伝えるかのようにシンプルな造りだった。そう思っていたら、この部屋は単なる書院ではなかった。意北軒という千利休の邸宅書院だったものを移築したものなのだそうだ。そう聞くと、このシンプルさの中にも何か意味があるような気がしてくる。
床の間を見るとその家の格式が解るというけれど、薄暗い向こうに見える床の間に掛けられていた掛け軸を見ても、なんとなく「関」という漢字が書かれているのが分かるだけで、どのような意味が込められているのかはさっぱり見当がつかない。水墨画といい、掛け軸といい、自分にはシンプルだと感じるだけで、その格式などを理解する素養がないことを改めて実感した瞬間だった。
2021年4月 建築 京都 | |
作品 漢字 薄暗さ 京都市 寺院 |
No
11892
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月30日
更新日
2023年08月25日
撮影場所
高桐院 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF