新宿高島屋で上へ向かっていくと、家具やインテリアを扱っているフロアに辿り着く。あまり人がいない空いているフロアだ。そんなフロアの一画に画廊がある。ふらっと中に入ると、灰原愛という作家の木彫りの作品が並んでいた。幸か不幸か作品を観覧している人は誰もいない。閑散としている画廊に木彫りの人形だけがところどころに立っていて、眺める人に音のない言葉を語りかけているかのようだった。
ここは画廊であって美術館ではないので、陳列されている作品は売り物でもある。つまりそれぞれに値段が付いていて、展覧会を兼ねたプライマリーマーケットになっている。ここで作品が売れると、代金の一部が作家本人に入るわけだ。しかしながら、ここで購入した人がその後セカンダリーマーケットで作品を売却しても作家には一銭も入らない。評価が高まって作品価値が高騰しても、作家本人に利益が還元されないのが現状だ。
そのような中、その仕組みを変える動きもあるようだ。作品に追求権という権利を設定し、作品がセカンダリーマーケットで販売されたときにも取引額の一部を作家が受け取れるようにしようとする動きがあるのだ。これならプライマリーマーケットに出たときに評価が低く作家にあまり利益をもたらさなくとも、その後価値が高騰すれば自動的に作家に利益が還元されるようになる。なんだかサッカー界の移籍金に伴う連帯貢献金のようだと思った。いずれにせよ作家に利益が還元されるようになるのはいいことに違いない。
2022年7月 静物 東京 | |
作品 人形 ギャラリー 影 新宿 木彫 |
No
12314
撮影年月
2022年5月
投稿日
2022年07月02日
更新日
2023年08月12日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
RICOH GR III