絵画作品と比べると写真作品に有名なものはあまりない。絵画であれば、絵画を鑑賞する習慣のない人であってもレオナルド・ダ・ヴィンチと言われたら謎めいた微笑を浮かべた「モナリザ」を思い浮かべるだろうし、フェルメールと言われたら青いターバンを巻いた「真珠の耳飾りの少女」を思い浮かべるだろうし、ムンクと聞けば極端にデフォルメされた人物が耳をふさいでいる「叫び」の図柄が脳裏に浮かぶに違いない。しかしながら写真作品にそのような誰しもが知っているような作品は少ない。写真好きであれば、アンリ・カルティエ=ブレッソンと聞けば水溜りを飛び越えようとする男性を捉えた写真が、ウィリアム・エグルストンと聞けば三輪車の写真が、森山大道と聞けばザラザラした感じの写真が頭に去来するかもしれないが、それは誰しもが持っている感覚ではないのだ。
それは美術館の存在感に関しても同様だ。同じように都立の美術館であっても上野にある東京都美術館や木場にある東京都現代美術館と比べると、恵比寿にある東京都写真美術館の存在感は薄い。誰でも利用できる図書室もあって、美術館が収集した写真集や写真評論、写真史・映像史に関する図書を無料で閲覧できるのにもかかわらず、それほど人気はない。そんな美術館の外壁には数少ない有名な写真作品のひとつであろう、ロベール・ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」が大きくプリントされていた。
2022年12月 町角 東京 | |
作品 博物館・美術館 日溜り 壁 恵比寿 |
No
12410
撮影年月
2022年9月
投稿日
2022年12月08日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
恵比寿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III