同じようにアーティストに含まれるものの、彫刻家という職業は画家に比べると影が薄い。有名な画家の名を問われれば、ゴッホやピカソなど比較的最近の画家の名前が頭に浮かぶし、レオナルド・ダ・ヴィンチやピーテル・ブリューゲルの何百年も前の画家の名前も浮かぶ。その一方で、有名な彫刻家の名を問われても、なかなか名前を挙げられない。有名なダビデ像を作ったのはミケランジェロだけど、ミケランジェロは彫刻家というより画家のイメージが強いし、ミロのビーナスとサモトラケのニケの「ミロ(ミロス島)」と「サモトラケ(サモトラキ島)」はそれぞれ発見された場所の地名で制作者の名前ではない。日本と縁のある彫刻家にいたっては、すぐに名前が浮かぶのはイサム・ノグチくらいだ。
そのような中、オーギュスト・ロダンは日本で抜群の知名度を誇る彫刻家だ。上野の西洋美術館にもある「考える人」は来館者に人気で、像の前に立って写真を撮る人は絶えない。日本で「考える人」に人気があるのは今に始まったことではなく、過去にはNHK教育テレビジョンのジャンクション映像にモチーフとして使われていたし、テレビCMにも出演している。何かを考えている仕草が、日々考えることを求められている現代人にぴったりなのかもしれない。確かに、手を顎に当てて思案する姿はスーパーマーケットで献立を考えている主婦と同じ気がする。
2023年10月 町角 東京 | |
作品 博物館・美術館 親子 彫刻 撮影 上野 |
No
12532
撮影年月
2023年4月
投稿日
2023年10月21日
撮影場所
上野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 1.8/85