個人商店や住宅が立ち並ぶ中を歩いていくと、不意に木造の門が現れる。門の横には提灯がぶら下げられていて、「島原」と書かれていた。島原大門だ。そうここは京都にある花街島原の入り口だったのところだ。
この島原は桃山時代に豊臣秀吉の許可を得て開かれた「二条柳町」が発祥の地だ。江戸時代になると六条付近に移されて「六条三筋町」と呼ばれるようになり、さらに1641年に朱雀野付近への移転が命ぜられ、以後「島原」と呼ばれるようになったのだという。かつては周りを壁や堀に囲まれていて、出入り口には門が設けられていた。その門が写真の門なのだ。
往時は大層賑わい、幕末には西郷隆盛、久坂玄瑞や新撰組のメンバーも訪れたという島原も、営業を続けている茶屋は浅田次郎の小説「輪違屋糸里」のタイトルにもなっている輪違屋だけで街全体が穏やかな雰囲気に包まれていた。今ではこの門を通り抜ける人たちも近所の住民ばかりだ。門をくぐり抜けても何か特別な場所に足を踏み入れたような感覚が湧き上がってはなかった。
2021年4月 建築 京都 | |
漢字 電線 門 京都市 提灯 |
No
11874
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月12日
更新日
2023年08月24日
撮影場所
京都市 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF