京都洛北にある臨済宗大徳寺派の大本山・大徳寺の塔頭・高桐院はもちろん臨済宗大徳寺派の寺院なのだけれど、境内を訪れてもあまり仏教寺院らしさを感じない。なんだか伝統的な日本家屋を訪れているような感じがするのだ。
そう感じるのはここに建っている書院が千利休の屋敷の一部を移築したものだからかもしれない。聚楽城内にあった利休聚楽屋敷は豊臣秀吉の手によって取り壊された後、一部がここ高桐院に移築されたと伝わっているのだ。
そう聞くと、ますます誰かの邸宅の中にある部屋を訪問しているような気がしてくる。畳が敷かれた部屋の中央には無造作に座卓が置かれていて、その上に煙草盆や湯呑が置かれていてもなんら不自然ではないような雰囲気だ。これで座布団が置かれていようものなら、思わず寝転がってくつろいでしまいそうだ。
もともと書院とは寺院の僧侶の私室を指すのだという。室町時代以降は武家・公家の邸の居間兼書斎を指すように変化したというものの、高桐院の書院は今でも誰かの個人的な部屋のような風情が漂っていた。
2021年4月 建築 京都 | |
京都市 障子 テーブル 寺院 |
No
11891
撮影年月
2020年2月
投稿日
2021年04月29日
更新日
2023年08月25日
撮影場所
高桐院 / 京都
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF