中平卓馬展を観るために東京の竹橋にある国立近代美術館に来ていた僕はふと思った。近代と現代の違いは何なのだろうと。今いるのは国立近代美術館だけれど、木場には東京都現代美術館が建っている。どちらも美術館だけれど、近代と現代でどのように棲み分けしているのだろうかと気になったのだ。
「現代」という言葉が「現在の時代、今の世、当世」のことを指していて、「近代」は現代よりも少し前のことを指していると考えると、その境目がどこなのか気になるところだ。面白いことに、その境目は時代と場所で異なっている。日本史では明治維新から第二次世界大戦が終わるまでを「近代」とし、それ以降を「現代」とするのに対し、ヨーロッパ史では長いこと第一次世界大戦終結を境にして「近代」と「現代」に分けてられていた。最近では1989年の東欧革命を境とする見方もあるらしい。つまり明確には定まっていないのだ。
近代と現代の境目が明確ではないと考えれば、国立近代美術館がカバーしている範囲が広いのもある意味仕方がない。ここには第二次世界大戦前の作品も収蔵されている一方で、村上隆のようないわゆる現代アーティストの作品も収蔵されているし、同じく現代アーティストであるゲルハルト・リヒターの個展を開催したりもしている。近代と言いながらも、ちょっと現代よりの美術館なのだと思えば少しは腑に落ちるかもしれない。もっとも近代と現代の棲み分けについては、モヤモヤしたままだけれど。
2024年9月 町角 東京 | |
作品 北の丸公園 博物館・美術館 シルエット |
No
12655
撮影年月
2024年3月
投稿日
2024年09月23日
撮影場所
北の丸公園 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III