都内にある神社や仏閣の境内は、京都にある神社仏閣の境内と比べると狭いところが多い。名の通った神社仏閣であっても、コンパクトな境内にすっぽり収まっているのだ。神様がお住まいになっているとはいえ、多くの人間が住んでいる東京のこと、神様よりも人間の住む場所の方が重要と考えられたのだろう。京都にある伏見稲荷大社のような、どこまでも続くかと思われる境内を持つ神社は東京にはないのだ。
物理的に広い境内がない中で、狭い境内を少しでも広く感じさせるには錯覚を利用するしかない。木々を鬱蒼と茂らせたりして、視界を悪くするのも境内を広く錯覚させるひとつだと思う。この日にやって来た和泉熊野神社は、そんな視野の悪さを利用して境内を実体よりも広く見せているように感じる神社だった。
参道の脇に鎮守の杜があるわけでもなく、木々が鬱蒼としているわけでもないものの、鳥居の先にある階段の上に社殿が小さく見えて、参道の入り口から社殿までかなりの距離があるように感じてしまう。階段があるがゆえに、登った先の状況がよく見えないのが功を奏している。実際には、階段を登ればすぐにたどり着いてしまうのだけれども。
2022年4月 建築 東京 | |
和泉 神社 階段 扁額 鳥居 |
No
12249
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年04月28日
更新日
2023年08月14日
撮影場所
和泉 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35