かつて東京の貧民窟と言われた鮫河橋から歩いてくるとちょっと高くなったところに須賀神社が建っている。スサノオノミコトとウカノミタマノカミを祀る四谷十八ヵ町の総鎮守だ。もともとは赤坂一ツ木村(現在の港区赤坂四・五丁目)の鎮守で清水谷(現在も清水谷公園という公園が存在しているけれど、住所は赤坂ではない)にあった稲荷神社を、1634年に現在地に遷座したものだ。
参道に立つと、立派な扁額が掲げられた鳥居の向こうに社殿が見えた。結構人気のある神社のようで、拝殿の前に人が並んでお参りの順番が来るのを待っていた。大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」にも出てくることもその一因かもしれない。
知らなかったのだけれど、須賀神社という名称は祇園信仰の神社によく見られる名称で、日本全国に存在するらしい。確かに都内だけに限っても、ここ新宿にある須賀神社以外に台東区浅草橋と杉並区成田東にも同名の神社が鎮座している。
須賀神社の何が良いって、その名前の由来が素敵だ。スサノオノミコトが八岐大蛇を退治してクシナダヒメノミコトを妻とした後、住む土地を探している中で出雲国須賀(現在の島根県雲南市大東町須賀)に来ると「気分がすがすがしくなった」として「須賀」と命名し、そこに宮殿を建てて鎮まったとする神話が由来になっているのだ。古事記の時代からオヤジギャグのような語呂合わせがあったのも新鮮だけれど、そのギャグのような語呂合わせが1000年以上言い伝えられ続けているのもとても素敵に感じるのだ。
2021年8月 建築 東京 | |
漢字 列 神社 扁額 鳥居 参拝客 四谷 |
No
11991
撮影年月
2021年1月
投稿日
2021年08月07日
更新日
2024年01月07日
撮影場所
四谷 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF