南千住駅から旧日光街道を進んでいくと、ほどなくして素盞雄神社に辿り着く。素盞雄大神と飛鳥大神を祀った神社だ。飛鳥大神とは大国主神の子で、日本書紀によると大国主神は素盞雄大神の息子ともされているので、この神社は祖父と孫を祀っているとも言える。
祖父である素盞雄大神と孫である飛鳥大神を祀っているとしたら、その間を繋ぐ大国主神はどこに行ってしまったのだろうと思いつつ、神社のホームページを眺めていたらヒントのようなものが記載されていた。今の御祭神は素盞雄大神と飛鳥大神となっているものの、もともとは牛頭天王と飛鳥権現を祀っていたのだという。それが明治維新後の廃仏毀釈の流れの中で、牛頭天王は素盞雄大神に、飛鳥権現は飛鳥大神へ御祭神名を改めたのだそうだ。
牛頭天王と素盞雄大神、飛鳥権現と飛鳥大神は確かに同一視される神様なのだけれど、違う神様だ。素盞雄大神の子孫は確かに飛鳥大神なのだけれども、飛鳥権現は牛頭天王の子孫ではない。間を繋ぐ大国主神はどこに行ってしまったのかという疑問は見当違いなのだ。つまり御祭神名を習合する他の神様にした結果、それまで意識されていなかった祖父と孫という血縁関係の属性があるかのように見えてしまっただけのなのだ。
2022年3月 建築 東京 | |
南千住 神社 扁額 鳥居 |
No
12221
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年03月31日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
南千住 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35