チルボンの鉄道駅前に伸びる大通りにはお店が幾つも軒を連ねていた。お店の前には移動式の屋台が出ていて、屋台で買ったものを食べるためなのだろう、路上にはベンチが幾つも置かれていた。そのような一角にお揃いのシャツを着た男たちがたむろしていた。
男たちはボウリング・シャツを思い起こさせるような襟をしたシャツを着ていた。オレンジ色と紺色のツートンカラーであることもあって、集まってワイワイとおしゃべりしている男たちはとても目立つ。最初に目にしたときには、この男たちは駅前に駐められたベチャの運転手たちなのだと思ったけれど、そうではない。男たちはお揃いのシャツに身を包んで自転車タクシーの客が来るのを待っていたわけではなかった。
男たちが着ているシャツの胸をあたりを見ると、ちょっと小さいけれど「PORTER」と書かれているのが見える。この男たちはチルボン駅にやってきた旅行者の荷物を運ぶポーターなのだった。男たちは今すぐにでも荷物を運べるように準備万端なのにもかかわらず、残念ながら大きな荷物を持ってこの町にやって来た人は誰もいない。僕もカメラバッグをひとつ抱えていただけだ。仕事のない男たちは仕方なく駅前の屋台の横でたむろしながら談笑していたのだった。
2020年12月 インドネシア 人びと | |
チルボン 客待ち 労働者 制服 |
No
11774
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月29日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
チルボン / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF