函館にある五稜郭はつくづく罪な観光名所だと思う。五稜郭は一連の戊辰戦争の中で最後の戦争である箱館戦争の舞台という歴史的価値がある以上にその形状がかっこいい。日本の伝統的な城郭と違って、近世ヨーロッパ式城郭の特徴である防御側の死角が少ない五稜星形をしているのだ。しかしながら、その造形は地面を這いつくばっているだけで堪能できない。堀を越えて五稜郭の中をいくら散策しても再建された箱館奉行所が建っているだけで、五稜郭のハイライトである特徴的な城郭の造形を体感するのは難しい。つまり五稜郭自体を訪れるだけでは、五稜星形しているのかどうかが分かりづらいのだ。
そのため横に五稜郭の形を上空から眺められるように五稜郭タワーという有料の展望塔が建っている。これが僕が罪だと思うゆえんだ。五稜郭自体の中を歩くだけなら無料なのに、五稜郭の造形を自らの目で感じようとするとお金がかかる仕組みになっているのだ。なんだか本体は無料なのに、楽しむためには有料オプションを購入する羽目になるスマホゲームと似ているような気がした。
2022年10月 北海道 町角 | |
函館 シルエット 塔 窓 |
No
12381
撮影年月
2022年6月
投稿日
2022年10月03日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
函館 / 北海道
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35