修復が終わった屋根は鮮やかなパステル色で、周辺が雪景色になったらさぞ映えるのだろう。ネットで見た雪景色の中にそびえる函館の「主の復活聖堂」の写真はどれも美しかった。でも幸か不幸か今は雪の降る季節ではなかった。周辺の芝生は青々としていて、黄色い花があちらこちらに咲き乱れている。目の前に建つ函館ハリストス正教会の「主の復活聖堂」は思っていたよりも小さかった。
函館ハリストス正教会は1860年にロシア領事館内に設立されたのを始まりとしている。元号はまだ万延。明治維新より前のことだ。所属する日本正教会の中でも最古の教会のひとつで、東京の御茶ノ水にあるニコライ聖堂に名を残す聖ニコライも、来日当初に赴いたのは函館だった。
現在の「主の復活聖堂」は1907年に函館大火によって全焼したものを1916年に再建したものだ。屋根の色が新築のようなパステル色をしているのは、2021年から2022年にかけて大規模な保存修理工事が行われたため。小さな聖堂の周囲をぐるっとひと回りしてみると、玄関と鐘楼だけが目に入ってひょろっとした正面よりも、どしんと丸みを帯びた後部の方が荘重な感じがした。
2024年3月 建築 北海道 | |
カテドラル 十字架 函館 屋根 |
No
12572
撮影年月
2023年6月
投稿日
2024年03月16日
撮影場所
函館 / 北海道
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF