今では東京から列車に乗って乗換なしにやって来られる北海道も、青函トンネルが1988年に開通するまで直通列車なんてものは存在していなかった。青森駅まで列車でやって来た乗客はここで青函連絡船に乗り換えて津軽海峡を渡り、函館から再び列車に乗っていたのだ。今となっては信じがたいけれど、青函連絡船は日本の高度経済成長を支えた大動脈で、多い時には1日30往復も運航していたという。ひっきりなしに青森と函館を行き来していたのだ。
終航してしまった青函連絡船だけれど、函館港には1988年の最後の日まで運航していた摩周丸が今でも係留されていて見学できる。いわゆる博物館船になっているのだ。1200人もの乗客を乗せられた船は予想以上に大きいものの、見学できる箇所は限られている。当時のまま残されている操舵室と無線通信室には入れるけれど、車両甲板、総括制御室、主機関室などは見学できない。それほど船そのものに興味のない僕には操舵室と甲板だけで満足だった。もう現役でないから仕方がないとはいえ、修繕されることなくボロボロになりつつある甲板を歩いていると、形あるものが朽ちていく定めを感じた。
2022年10月 北海道 乗り物 | |
函館 博物館・美術館 船 |
No
12383
撮影年月
2022年6月
投稿日
2022年10月06日
更新日
2023年08月10日
撮影場所
函館 / 北海道
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35