片瀬東浜海水浴場で幼い女の子がお父さんの後ろをひょこひょこ追いかけていた

片瀬東浜海水浴場の海水浴客
片瀬東浜海水浴場

夏の気配に誘われたわけでもないが、ふらりと神奈川県の江ノ島にやって来た。本土と島を結ぶ橋を歩きながら横目で見やると、思いのほかビーチに人がひしめき合っている。海の家も営業しており、かつての喧騒を取り戻しつつあるようだ。片瀬東浜海水浴場を見渡せば、砂浜には適度に人が点在している。海水浴客からすれば、これくらいが快適な混雑具合なのだろう。もっとも、僕は海で泳ぐというひどく疲れる行為をするためにここへ来たわけではない。単に島の中を当てもなく散策しようと思い立っただけで、照り返しのきついビーチになど微塵も用はなかった。僕は波打ち際で歓声を上げる連中を横目に、ただ黙々と橋の上を歩いていた。

著者 : 朝日新聞出版
朝日新聞出版
発売日 : 2025-05-09

その黙々と橋の上を歩いている最中に、ふと砂浜の異変に気がついた。昔の海水浴といえば、熱い砂の上に薄っぺらいビニールの敷物を広げるのが相場であった。しかし、眼下に広がる光景は随分と様子が違う。あちこちに色とりどりの小さなテントが張られているのだ。調べてみると、日本では明治時代に医療目的の「潮湯治」として海水浴が広まったそうだが、現代の砂浜はすっかり様変わりしている。どうやらこうした代物をビーチテントと呼ぶらしい。確かに、日陰のまったくない砂浜で直射日光を避けるには合理的だ。中で着替えることだってできる。

その合理的で便利な代物について考えながらも、僕としてはどうにも腑に落ちない。わざわざ海へ来て、こんな風通しの悪そうな狭いテントの中に引きこもるくらいなら、初めから冷房の効いた自分の部屋にでもいればいいではないか。そもそも、僕の頭の中には、海へ行くのにテントを担いでいくという発想自体が存在しなかったのだ。ほぼ裸に近い姿で塩水に浸かるという極めて原始的な遊びにおいてさえ、僕の知らないところで年々便利なガジェットやグッズが進化を遂げているらしい。

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ENGLISH
2022年11月 町角 神奈川
ビーチ 江ノ島 親子

PHOTO DATA

No

12393

撮影年月

2022年7月

投稿日

2022年11月08日

更新日

2026年05月07日

撮影場所

江ノ島 / 神奈川

ジャンル

ストリート・フォトグラフィー

カメラ

SONY ALPHA 7R II

レンズ

ZEISS BATIS 2/40 CF

日本国内で撮影した写真

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