両脇をカラフルな顔に挟まれた地味な顔は肩身が狭そうだった

カラフルな顔に挟まれた地味な顔
加藤泉の描くカラフルな顔
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目黒にある東京都庭園美術館はその名の通り庭園もある美術館でその目玉は古い洋館だ。この洋館は1933年に朝香宮鳩彦王の邸宅として建てられたものだ。今はなくなってしまったけれど、朝香宮は戦前に実在した宮家。朝香宮鳩彦王は明仁上皇の大叔父だ。

ほとんど装飾らしい装飾が見当たらないシンプルな外観とは裏腹に、洋館の内部は当時フランスで流行していたアール・デコで飾り立てられている。なんでもフランスに留学していた朝香宮鳩彦王がその様式美に魅せられ、帰国後邸宅を建築する際にもわざわざフランス人芸術家アンリ・ラパンに設計を依頼するなどしてアール・デコの精華を邸宅に取り入れたのだそう。そして、その瀟洒な空間が今では美術館になっているのだ。

このときは現代アート作家の作品が展示されていた。アール・デコで装飾された空間の中に現代アートの作品が展示されているのだ。なんだか異種格闘技戦のような様相を呈している。壁紙に描かれたギリシャ神話に登場するような人物も、両脇を見て驚いていた。加藤泉作のカラフルな人相はギリシャ神話の人物には同じ人類には思えないのかもしれない。

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ENGLISH
2021年6月 静物 東京
作品 装飾 博物館・美術館 白金台

PHOTO DATA

No

11947

撮影年月

2020年11月

投稿日

2021年06月24日

更新日

2023年08月22日

撮影場所

白金台 / 東京

ジャンル

静物写真

カメラ

RICOH GR III

日本国内で撮影した写真とエッセイ

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