写真の建物は港区立郷土歴史館だ。区立の博物館としてはかなり立派な佇まいをしている。それもそのはず、もともとは公衆衛生の向上を目的とした国立公衆衛生院として、1938年に建造された建物だ。しかも、その建造費用はアメリカのロックフェラー財団からの寄贈で賄われているらしい。
当時のアメリカから見れば、日本は公衆衛生の悪い貧しいアジアの国だ。第二次世界大戦前のGNPは、日本とアメリカで10倍程度の差があったというから仕方がない。いくら物価に差があったとはいえ、こんな立派な建物の建築費用を拠出してくれたロックフェラー財団はかなりの太っ腹だ。
時は流れて、国立公衆衛生院の機能は国立保健医療科学院の一部となって、埼玉の和光市に移転してしまい、建物だけがこの場所に残された。建物は国から港区の所管に移り、今となっては博物館として一般公開されているのだ。
2019年9月 建築 東京 | |
アーチ 建物 ファサード 博物館・美術館 白金台 窓 |
No
11208
撮影年月
2019年3月
投稿日
2019年09月24日
更新日
2023年10月25日
撮影場所
白金台 / 東京
ジャンル
建築写真
カメラ
RICOH GR III