正福寺地蔵堂の横に建つ八坂神社の狛犬は猛々しい顔で入り口を睨んでいた

それは隣接しているのか、同じ敷地内なのか、どちらか分からないくらい近くに建っている。国宝に指定されている正福寺の地蔵堂のすぐ横にさりげなく八坂神社があるのだ。地蔵堂は国宝に指定されているだけあって、縁起やこれまでの改修工事の様子などがネットにも転がっているのと対照的に、この八坂神社の情報はネットでは見つけられない。八坂神社なのだから牛頭天王を祀っているのだろうけれど、縁起などについてはよくわからないのだ。

ここに建つ八坂神社はとても小ぶりのもの。道路から境内に足を踏み入れるとすぐに鳥居が立っていて、その先に質素な社殿が建っている。その短い参道の両脇に狛犬が鎮座していた。狛犬なのだから、もちろん怖い表情を浮かべ邪悪なものが境内に入らないように守っている。けれど猛々しく睨みつけている姿はどことなくコミカルだ。

コミカルに感じてしまう原因は、体がアンバランスなところではないだろうか。精悍な顔を支えるには体がちょっと小さく、それが漫画のような味わいを出しているように思えるのだ。意図しているのか、たまたまなってしまったのか、どちらかわからないものの、顔と体のアンバランスさが可愛らしい狛犬だった。

　でコメントする

ENGLISH