10年に一度という大開帳が奉修されると耳にしたので、川崎大師へやって来た。普段は公開されていない本尊が、10年に一度、1ヶ月間だけ公開されるのだ。これは行かねばならない。信心というより興味本位で来たものの、境内はいつになく混んでいた。やって来て初めて、僕が予想していたよりもずっと多くの人がご開帳に関心を示していたことに気付かされた。
本尊と繋がった手綱が大本堂前の供養塔に設けられ、皆が順々にこれに触れている。触れることで本尊と親しくご縁を結べるのだという。この行列以外にも、この期間中だけ授与される特別な護符「赤札」を求める人たちが長蛇の列をなしていた。境内には屋台も並び、まるでお祭りのようだった。
開帳に合わせて催されていたのは、赤札の授与だけではなかった。境内の一角に特設の弓道場が設けられ、奉納の弓道大会が行われていた。白筒袖に袴を着用した大勢の人たちが一列に並んで弓を引いていたのだ。仕組みがわからない僕には詳しいことは理解できなかったが、歓声が上がるわけでもなく、大会は粛々と進んでいたようだった。弓を引く人たちを眺めて満足した僕は、大本堂前の手綱に触れることもなく、赤札をもらうことなく家路に就いた。
2024年10月 神奈川 人びと | |
儀式 川崎 寺院 |
No
12675
撮影年月
2024年5月
投稿日
2024年10月14日
撮影場所
川崎 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF