山の麓から続く石段を登り終えると、広々した空間にたどり着く。最初に出迎えてくれるのは狛犬だ。そして狛犬の向こうには予想を上回る広さの平地が広がっていた。それほど高くはないとはいえ、山の上にあるのだから猫の額のようで山肌にひっついているような境内を想像していたのだけれど、実際の織姫神社の境内は広々としていて、圧迫感はどこにもない。
狛犬の視線を感じながらさらに参道を進むと、ちょっと高くなったところに社殿が構えている。銅葺の屋根と鮮やかな朱色のコンビネーションが青い空の下に映えている。1937年に建立されたこの社殿は、京都の宇治にある平等院鳳凰堂をモデルにしているのだという。しかしながら朱色の社殿は僕の中の鳳凰堂のイメージとはかなり違う。鳳凰堂はもっとくすんだイメージだ。
それもそのはず、僕が鳳凰堂を訪れたのは10年以上前のこと。2012年から2014年にかけて屋根の葺き替え・柱などの塗り直し修理が行われた結果、鳳凰堂も今では鮮やかな朱色になっている。修復後の姿を見れば、織姫神社が鳳凰堂を模したというのも何となく分かる。もっとも鳳凰堂が仏教寺院なのに対し、こちらは神道の神社だという点はスッキリしないまま残っているけれど。
2021年10月 建築 栃木 | |
足利 狛犬 神社 |
No
12058
撮影年月
2021年4月
投稿日
2021年10月13日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
足利 / 栃木
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF