昔から大海原に船で漕ぎ出すというのはとても勇気のいることだったようで、古今東西に航海の安全を守る神様が存在している。勇気だけではちょっと不安なのだろう。自分を護ってくれる存在が求められていたのだ。
西洋では航海の安全を祈願し船首にフィギュアヘッドと呼ばれる女神の像を取り付ける習慣があるし、中国の沿岸部には航海の守護神である媽祖を祭る媽祖廟がいくつも建てられている。船で台湾海峡を渡って来た人の多い台湾にも媽祖廟は多い。
翻って日本はどうかというと、船霊を祭るという信仰が古くから存在する。起源はかなり古いようで御神体があったり、なかったりと決まりはないものの、航海の安全を守って欲しいという気持ちは近代に入っても残っており、勇ましい軍艦や艦艇にも艦内に小規模の神社を設ける習慣があったのだそうだ。
1944年のフィリピン沖海戦で撃沈されてしまった軍艦多摩にも、艦内に小規模の神社が設けられていて、府中に建つ大國魂神社の御祭神である大國魂大神が祭祀されていた。その縁で大國魂神社の境内に軍艦多摩戦没者慰霊碑が大東亜戦争の戦没兵士の忠魂碑の隣に建てられている。その前にそびえる鳥居と狛犬は威厳に満ちたものだった。
2021年11月 静物 東京 | |
府中 狛犬 神社 鳥居 |
No
12097
撮影年月
2021年7月
投稿日
2021年11月21日
更新日
2023年08月17日
撮影場所
府中 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF