隅田川に架かる白鬚橋を渡って南千住に向かう最中にふと振り返ると、鉛筆のような細い構造物が見えた。東京スカイツリーだ。視界に入ってくるまで意識していなかったものの、写真を撮った白鬚橋から東京スカイツリーまでは結構近い。直線距離にすると2キロ程度だ。
この白鬚橋は近くに白鬚神社があることから名付けられた橋だ。もともと隅田川の渡船場があった近くに、近隣の人びとが募金を募って橋を架けたのが始まりなのだという。民間が資金を集めて橋を架けるなんて、なんだか遠い昔の話のように思えるけれど、それほど昔の話ではなく1914年、大正時代の話だ。
人が渡れる橋なんて安いものではないだろう。にもかかわらず架橋できたのは、この辺りに住んでいた人びとが特別に裕福だったわけではなく、完成したあとは利用者から通行料を徴収して建設資金を回収しようと目論んでいたかららしい。お金を払わないと渡れない橋だったのだ。
このエピソードを読むと、ラオスのルアンパバーンにある竹で作られた橋を思い出しす。雨季が来ると流れてしまうというその橋は、渡る度にお金を払わねばならなかった。しかも誰もが払うわけではなく、外国人旅行者だけが払うのだ。そのときは足元を見られているような気がしたけれど、いくら竹で作られた橋とはいえ、架橋にお金がかかるから仕方がなかったのだろうと今では思う。
2022年3月 風景 東京 | |
青空 雲 橋場 シルエット 塔 |
No
12218
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年03月28日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
橋場 / 東京
ジャンル
風景写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35