湯島天神の正面に建っている表鳥居は銅製だ。神社を訪れれば嫌というほど鳥居を目にする中で銅で作られたものは少数派で、木製や石製と違って重く光る鳥居は威厳を感じさせる。歴史ある神社の表玄関を飾るのに相応しい趣だ。
そんな鳥居を上の方からじっくりと眺めていた。反りのある笠木のついた島木と貫の間に天満宮と書かれた神額が掲げられている。そして支える柱が内側にちょっと傾いていた。ぱっと見たところはいわゆる明神鳥居と呼ばれる様式なのだけれど、正確に言うと島木と柱の接合部に「台輪」と呼ばれる輪が付いている台輪鳥居という様式なのだという。
貫から下に伸びる柱はシンプルだ。しかしながら台石に近づくにつれ、少し様子が変わってくる。藁座と言われる柱の下部に文様が施されていて、よく見ると小さな動物がいる。狛犬のようだ。こんなところに狛犬がいるのは知らなかった。この湯島にある天神様には何度と来ているけれど、よくよく考えると鳥居そのものをじっくり眺めたのは今回が初めてかもしれない。
参拝客は多けれど、ここに狛犬がこっそり佇んでいるのに気づいている人は少ないだろう。大きく目を見開いた狛犬は気付かれることなく、鳥居をくぐる人たちを品定めするのが職務のようだ。
2021年5月 静物 東京 | |
狛犬 神社 鳥居 湯島 |
No
11916
撮影年月
2020年9月
投稿日
2021年05月24日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
湯島 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF