世の中には狛犬的な、何か違うものが鎮座している神社寺院も多い。京都にある鞍馬寺には虎の狛犬があるし、岡山にある和気神社にはイノシシの狛犬がある。一般的に聖域を守護するために狛犬が置かれているとされているのを考えると、確かに犬である必要はない。強そうで邪悪なものを追い払えれば何でもいいのだ。
しかしながら全て狛犬が強そうとは限らないからややこしい。京都にある岡崎神社にはウサギの、埼玉にある水宮神社にはカエルの狛犬が鎮座していて、ちゃんと聖域を守護しているのか不安にさせられる。強くて悪いやつが近づいてきても、追い払える気が全くしない可愛らしい存在で役目を果たしているのか心配になってしまう狛犬だ。
聖域を守護するという役目を第一に考えたら、東京・高輪にある承教寺にある狛犬はウサギやカエルの狛犬と違って合格だ。文字通り異形の形相で聖域を守護している。ただ困るのは、これが何の生き物なのかはわからないこと。大抵の場合、カエルであろうと、ライオンであろうと、狛犬にはモデルになった実在の動物がいるのだけれど、これは何をモデルにしているのか皆目検討がつかない。顔は人間のようであるものの、体はよくわからない。一言で言えば妖怪としか表現できない生き物なのだ。
2022年4月 静物 東京 | |
顔 狛犬 彫刻 高輪 |
No
12241
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年04月20日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
高輪 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35