明治通りから逸れて住宅街の中を進んでいくと、こんもり木々が生い茂るところに行き着いた。鳩森八幡神社だった。千駄ヶ谷一帯の総鎮守だ。
鳥居をくぐって境内へ足を踏み入れると、まず出迎えてくれたのは狛犬だった。もっとも出迎えてくれたとは言っても、立派な石造りの台座にちょこんと腰を下ろした狛犬の視線は参道を歩く人に向いていない。境内の守護、魔除けのために置かれているものの、参道を歩いてやってくる参拝客には少しも興味を持っていないようだ。
仏教寺院だと、同じように境内を守護する目的で金剛力士が置かれていることが多い。その一方で、神道の神社に置かれているのは狛犬だ。金剛力士がすさまじい形相で見るからに強そうなのと対照的だと思ってしまうのは僕だけだろうか。犬だって番犬として重用され、噛みつかれたら痛いに違いない。しかし金剛力士と戦ったら、金剛力士が必ず勝ってしまう気がしてしまう。
狛犬の起源はペルシャやインドと言われている。そして、もともと獅子だったようだ。それが日本に伝わる途中でなぜだか犬に変わってしまったのだという。確かに獅子であれば、神社仏閣などの聖域を守護し、邪悪の出入を阻めるように思える。ネパールでも王宮の入り口を守っているのは強そうな大きな獅子だった。なぜ犬になってしまったのだろう。まあ猫になってしまうよりはずっと強そうだけど。
2021年5月 町角 東京 | |
狛犬 着物 千駄ヶ谷 神社 石灯籠 |
No
11904
撮影年月
2020年6月
投稿日
2021年05月12日
更新日
2023年08月22日
撮影場所
千駄ヶ谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III