公園と農地の間をすり抜けるように歩いているうちに境内に足を踏み入れたようで、目の前に現れた階段の下に仁王門が建っていた。どうやら僕は表参道ではなく、変な箇所から王禅寺の境内に入ってきたようだ。
公園なのか、寺院の境内なのか、よく分からない場所を歩いている人はチラホラいるけれど、参拝にやって来たというよりも、ハイキングにやって来たような格好の人が多い。まあ王禅寺は観光ルートに組み込まれるような有名な寺院ではないし、近くのハイキング・コースを目当てにやって来ている人が多いのだろう。
そんな地味な印象を受ける王禅寺も、かつては関東の高野山と呼ばれるほど権勢を誇った寺院なのだという。近隣に36もの末寺を抱えていたというのだから、相当の規模だ。「王の命じた、仏教を修行するのに適した場所」という意味を持つ王禅寺の寺号も時の権力者である醍醐天皇から賜ったものだという。
このように過去の栄華を記した記事は色々と見つけられるのに、現在の地味なイメージに繋がる、寺院が凋落していく経緯について書かれたものは見つからない。良いところしか書いていない記事を読むと、若い頃の悪さ自慢を聞いているようでちょっと座りが悪い。もっともお寺の人は凋落したなんてこれっぽちも思っていないだけかもしれないけれど。
2022年5月 町角 神奈川 | |
門 川崎 寺院 木 |
No
12268
撮影年月
2022年3月
投稿日
2022年05月17日
更新日
2023年08月13日
撮影場所
川崎 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35